つわりで入院中に精神的な不安を抱えてることを助産師さんに吐露した私。
なにげなく話したつもりだったのですが、他の助産師さんにも伝わってしまって いました(業務だから当然なんだけど)。
最近はいろんな面で母親のメンタルをサポートする体制が整いつつあるのでしょうね。
そしたら退院日に師長さんが部屋に来て「よかったら心理カウンセラーさんと話してみない?」と持ち掛けられました。心の中では「え、そんな大事になってるの(焦り)」と思いながら要らないですとも言えず。
あれよあれよと予約をいれられ、カウンセリングを受けることになりました。
20代前半に仕事でうつ病になったので、カウンセリングは経験済みだったんですが、久しぶりにカウンセリングを受けたらやっぱりよかったです。
話すって大事だなぁと。人に聞いてもらって受け入れてもらうことって大事。ひとりで凝り固まって考えていたことを、整理したり、修正してもらったり。
本当にありがたい存在でした。
カウンセリングってどうやるの?
時間を決めて、カウンセラーさんと一対一で話します。だいたい1時間くらい。
初回は経緯を話すのでいろいろ質問されてつらいこともあるかも。
カウンセリングで最初に先生と決めたのは、「これからどうなりたいか」ということでした。ただ不安やつらさを吐き出すだけでなく、“最終的なイメージを共有して話していく”というスタンスに「この先生とは合いそう」と思いました。
私の場合は、妊娠への抵抗感・中絶反対の夫というセンシティブな内容で、人に相談できるわけもなかったので話を聞いてもらえるだけでありがたかったのですが、とにかく自分のネガティブな思考を変えたいという思いが強かったです。苦しいことから、自分の力で抜け出せるようになりたかった。私の目標はそれでした。
特に3人目の妊娠で夫に不安なことを話しても埒が明かなくなったことが大きかったです。よく泣く女なので、夫もそれに慣れ切っていて、いちいち対処してくれなくなったんですよね。泣き過ぎ女の末路(苦笑)。
目標を先生と共有して、その後先生としていたのは、
1. 不安や苦しいことを話すこと
2.心の調子がいいときにはしんどくなったときの対処法を教えてもらい、練習する(呼吸法や意識を他に向ける訓練)
また将来陥りそうな心理状態を予測し準備をした(うつになったとき、どう人に頼るか等)
…こうしてカウンセラーの先生に月1回話を聞いてもらっていましたが、結局夫と衝突が続き、メンタルはボロボロに。これはダメだと心療内科に頼ることを考え始めました。
精神科を受診することになった
私が通っていた産婦人科は市立の総合病院でした。
妊婦検診の際に、産婦人科の先生に「…あの…、最近精神的な状態が良くなくて…心療内科的なのも考えてるんですが…」というのをチラッと話したら「そういうことなら一度精神科の予約いれますよ。全然大丈夫ですよ~。」とすぐに予約を入れてくださった。展開早すぎた。気軽に言ったつもりだったのに汗。
精神科では最初看護師さんの聞き取り、その後若手の医師から私の半生の聞き取りをして、医師の診察でした。
そのとき看護師さんに言われたこと。
「こんなこと言ったらあれだけど、身なりもちゃんとしてるから、どうして来たのかなと思ってたの。頼ったり甘えたりが苦手ながんばり屋さんなのね。がんばってきたから、不安なのね。大丈夫、精一杯お手伝いするからね」
…泣いたよね。
幸運なことに、私が当たった精神科の先生もとてもいい先生でした。
たぬきのような、のほほんとしてるけどちゃんとしてる(褒めてる)方。
心の病に関して、先生の相性ってすごくあります。
これがすごく難しいんだよな〜・・。
私ってうつなの?
精神科の先生に言われたのは「適応障害」の傾向がある、ということ。
数年うつを患い、友人に適応障害の子もいて、それなりに知識があるつもりだったのに、先生に診断されて初めて「あ、言われてみればそうだな」と思いました。
適応障害は大きな原因(障害)があって、そこから3ヶ月くらいで発症すると言われています。ドンピシャでした。
基本的にその大きな原因を取り除けば症状は改善されます。
私の場合は、妊娠という事実を受け入れられない、妊娠・出産が怖い、というところです。
つまり、産めば緩和されるのか・・?と泣きながら先生に聞いた覚えがあります。
先生の回答は可能性としてはそうだと。自分の体に起きている変化に対応できていないことと、出産すれば家族からの手助けも受けやすくなるからと。
ただ、当然ながら産んだら終わりではないのでね。でもそれはそのとき考えればいい、今は無事産むことを考えよう、ということでした。
妊娠中に飲んでいた薬
抗不安薬「ロラゼパム」を処方されていました。
これは不安になったときに飲む頓服のようなお薬です。
いつでも飲めますが、一回飲んだら5〜6時間の間隔をあける必要があります。
副作用としては大きく挙げられたのは眠くなることでしたが私はあまり感じませんでした。眠くなるので服用後の運転は控えるように、という指導もありました。
この薬で妊婦期間を乗り越えました。
効果はあったように思います。若干プラシーボ的な要素もあったかもしれませんが、“つらいときはこれを飲めば楽になれる”と思っていられるかどうかは結構大きいと思います。
妊娠中に精神科・心療内科に行く基準
当然ながらハッキリした基準なんてものはないので、初めて行かれる方は勇気がいると思います。
このくらいの症状で行っていいのか、行ったらどんなことをするのか、先生はどんな感じで、妊婦が薬を飲んでもいいのだろうか・・と。
眠れない、食べれない、原因不明の頭痛や腹痛・下痢といったストレスによる症状があるなら、とにかく産婦人科の先生に相談し、それで緩和できないのなら行ってみてほしいです。「妊娠という特別な状態だから仕方ない」と諦めず、まずは産婦人科に相談しましょう。
身体的症状はないけれど、泣けて仕方ないとかパニックになってしまう、苦しくてどうかなりそう、希死念慮・・・
これはもう絶対心療内科に行こう。
具体的に痛いところがないと普通の人でも病院とは腰が上がらないものです。上の子がいたり、仕事があったり、妊婦の病院へのハードルは高い。
もし妊婦の家族がつらそうにしていたら、できたら代わりに予約をとってあげてください。正常な判断ができない、決断力がないといった症状が出ることも多いので、背中を押してあげてほしいです。託児や送迎、本人がのぞめば付き添ってあげることも必要です。
心療内科は行くことも、行って話をすることも、かなり負担がかかります。
私の場合、過去通院経験があるからやることもわかっているし、日常生活に大きく支障が出ているわけではないから大丈夫、と思っていたのにわーわー泣きました。初診は時間もかかるし疲れてボロボロになりました。
とても苦しいことですがこのハードルをこえてほしいなと思います。
薬で楽になることも多いです。胎児への影響についてもきちんと説明してくれるし、納得いくまで精神科医・産婦人科医・薬剤師・保健師に相談して決めてください。
ただ先生の相性というのはどうしてもあります。威圧的に感じたりして、嫌な思いをしたり。不快感を感じたらすぐ違う病院に行ってください。
それもまたとても面倒でつらいことだけど・・。
まとめ
正直私は運がよかったです。
総合病院だったので病院内で検診も精神科もカウンセリングも完結できたし、薬の処方等、先生同士の意思疎通もでき、安心してサポートしてもらえました。
また妊婦が精神科に行くというハードルの高さも、スタッフの方に後押ししてもらえたから越えられただけで、自分一人ではきっと決断できずなかなか行けなかったと思います。
このブログを読んでるってことはつらいのかな…って想像できるから本当は一緒に病院行ってあげたいくらいです。
「このくらいの症状で行くものじゃないのかな」と迷うと思いますが、ただでさえしんどいことが多い妊婦生活。少しでも楽になれる方法があれば頼ってほしいと思います。