高校時代、運動部の顧問のはなし
今や昔、15年ほど前の話です。
当時、セクハラに限らず世間でのハラスメントへの意識は高くなかったと思います。
（言葉自体はあったし概念は存在していた）
私は運動部のマネージャーをしていました。
マネージャーとはいえ華やかな異性間のキャッキャとした感じではなく、女子部で部員みんなが仲良しな部活でした。
顧問は60オーバー、非常勤講師の男性でした。
彼は過去に他校で教えていたときに県大会に進んだとかそんなような経歴を持っていました。
別に特別すごいコーチではなかったと思います。
ド素人に教えられるよりは良かったと思いますが。
問題はコーチング力の話ではない
彼はともかく横柄で年寄り特有の面倒な性格でした。
他の先生より年配だということもあり、彼にとやかく言うような先生たちもいませんでした。
校長や副校長との関係は知りません。
まぁ運動部の顧問なんて経験者だとだいたい偉そうなもんで、もっと厳しい先生はたくさんいると思います。それは良い。
けど彼はもっと違う悪癖がありました。
それが言葉、そして行動によるセクハラでした。
彼にされた不快な言動の数々
私はマネージャーで特に気に入られてもなかったので直接的被害には遭っていません。
これらはその場で見たり、部員同士で共有したものです。
小さなセクハラ発言なんかも多かったのですが特に気持ち悪かったものをふたつほど。
合宿中に、膝を故障している部員に対し
「お前、自分でちゃんとアイシングできるか?一緒に風呂に入ってやろうか?」
これはもしかしたら彼なりの冗談だったのかもしれません。
言われた部員もその場では笑ってやり過ごしていました。
しかし、裏ではもちろん「きもちわるい」と言っていました。
外での外周だったかトレーニング直後
「ちゃんと汗をかいているか」と言って、部員の首元から服に手を入れて背中を触る。
これ、完全にアウトですよね?
今思えばこのときまわりで見ていた私達も助けるべきでした。
当時17歳くらいでしょうか。
本当にいろいろな意味で非力だったと思います。
女子高生たち、反旗を翻す
若かったし、なにかと経験もなかったし、無知でした。
でもずっと耐えているということを私達は選びませんでした。
なんと顧問をストライキすることにしました。
体育館には行きませんでした。
じゃあ部活をしなかったのか、というとそうではありません。
部員たちはすごくまじめで良い子たちばかりでした。
決してサボりたくてストライキをした訳ではありません。
不快な気持ちを抱えたまま部活を続けることに限界が来ただけなんです。
高校から歩いていける中学校の体育館を借りれるようにお願いしに行きました。
もちろん中学生の活動は邪魔しないように、です。
その中学出身の部員が当時の顧問の先生に頼み、毎日ではありませんがコーチもしてもらいました。
当時の先生には感謝しかありません。
体育館が使えないときは外で活動しました。
ともかく、彼に“NO”を突きつけるために必死でした。
まわりの先生たちは何も言わなかった
私たちがストライキをしていることが少しずつ伝わり始めました。
（当時は「ストライキをするぞ!!」などと声高に言うことはなく淡々と顧問を避け続けていました。）
誰が言っていたのか、今となってはわかりません。
でも、注意をしたりやめろと言ってくる先生はひとりもいませんでした。
どちらかというと同情的で、
「まぁがんばれよ」とか「大変だな」
みたいな声をかけられた記憶があります。
おそらく先生たちは顧問の言動になんとなく気付いていたでしょうし、
彼の性格が面倒なので関わりたくなかったんでしょう。
助けてくれもしなかったけど、それでもやめろと言われなかったのでマシですね。
今思えばちゃんと校長や上に訴えればよかったです。
けど、「セクハラです!辞めてもらいたい!」みたいなことを誰かに訴えるという賢明な選択は当時の私たちにはできませんでした。
結局そのまま引退した
私たちは彼に“NO”を突きつけたまま引退しました。
後輩たちにはかわいそうなことをしましたが・・
顧問の中では「(わたしたち)3年生が悪い」という感覚だったのでしょう。
後輩たちには「戻ってこい」というようなことを言っていたようです。
後輩の中にも彼の【お気に入り】がいてセクハラを同様に受けていたのですが、どうしたんでしょうか。
後日談は知らないんですが、卒業後10年以上経った最近、顧問が亡くなったと聞きました。
彼はよく「俺はもう死ぬから」などと言ってましたが、わりとちゃんと生ききったようです。
#Me tooとかいろいろあるけども
実際わたしたちはどうするべきだったんだろうと今になって思います。
今もし先生からのセクハラに悩んでる人がいたら、大人としてどうやってアドバイスしたらいいんだろうかとも。
まずは、今の現状を紙に箇条書きで書き出してみましょう。
それを踏まえて、自分たちは何をどう改善したいのか、今後どうなれば満足するのか、着地点を書いてみてください。
私の例でいえば、顧問に心を入れ替えて欲しいのか、顧問を辞めて欲しいのか、そういうところの具体性をもつことが必要です。
そしてその紙をもって、親や信頼できる大人へ相談してください。
不快な気持ちは絶対に我慢しなくていいです。
その気持ちは間違っていないはず。
あなたにおかしなトラウマが残ったりしないことだけを祈ります。
この記事へのアクセスが大変多いので記事を新規であげました。
学内でのセクハラについて、もっと深く掘り下げて書いているのでよければこちらも併せてお読みください。
