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【レビュー】「母親になって後悔してる」【ネタバレ有り】

1年前に読んだのを今さら記憶だけでレビューします

もし時間を巻き戻せたら、あなたは再び母になることを選びますか? この質問に「ノー」と答えた23人の女性にインタビューし、女性が母親になることで経験する多様な感情を明らかにする。女性は母親になるべきであり、母親は幸せなものであるという社会常識の中で見過ごされてきた切実な想いに丁寧に寄り添った画期的な書。

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本書の中で書かれる研究の対象者とは

 

1.当時者である女性に“後悔”という自己認識がある

 

2. 今の知識と経験を踏まえて過去に戻ることができるとしたら、母にはならないと答えた人

 

3.自身の観点からみて母であることに利点がない、もしくは母である利点がないわけではないが、欠点を上回るほどではないと答えた人

 

 

これに該当する人ーーーー。はーーーい。

 

この3つの事項を見て興味が持てた人は読んでみて欲しいと思います。

 

ですがこの本のタイトルを見てめっちゃ共感できる!!と思った人が読後も同じ感想になるかと言われると、うーん。

 

もっと共感したかったし、“こちら側の人間”を認めてくれるような内容であって欲しいと期待して読むとちょっとがっかりするかも。

 

でも、画期的な内容だとは思う。

 

男性が読んだら衝撃的でセンセーショナルだと思う。

印象的だったこと ※ネタバレあり

読んでいて身につまされる思いがしたのが二点ある。

 

それは対象者に“孫のいる母親”が含まれていることだ。

 

 

てっきり現役お母さんの話ばかりかと思っていたらおばあちゃんが出てくる。

 

おばあちゃんたちは娘の心配をし、週末は家に呼んで娘夫婦や孫と過ごす。

 

“子どもを持ち孫が産まれたらするであろうおばあちゃん像”は、彼女たちにとって表面的になぞっているだけで、内面では苦痛でたまらないと思っているというのだ。

 

――ほんとは一人で映画でも見てのんびり過ごしたい、とも。

 

 

子供がたとえ成人しても、手を離れても、“母親であること”の苦痛が伴うことはなんとなくわかっていた。死ぬまでこの思いは手放せないことも。

 

けれど、娘の人生にまた子が生まれたら。

 

私はもうひとつの苦痛を抱えるのだ。

 

どう考えても無理じゃない・・?(‘ω’)

 

 

 

そしてもう一点は、子どもの人生に自分の人生を重ねてしまうということ。

 

 

哀しいかな共感性が高い自分の性質は、これから娘たちが経験するであろう辛いこと、悲しいこと、恥ずかしいこと、苦しいこと…

 

いざ彼らがこの経験をして悩み、それに私が気付いたとき、あの苦い気持ちがまた舌の上を転がるかと思うと思考がフリーズするよね。

 

例えば、私まゆげが薄っすらつながってるんですよね(えっ)。

 

小学生のころそれをクラスの男の子になにげなく指摘されたときものすごく恥ずかしかった。

 

それからは母の剃刀でこっそりそっていたけれど、体毛の悩みとかさ、いじめとは言わなくても友達が発した何気ない一言を今でもはっきり覚えてたりするじゃないですか。

 

もう30年以上生きてきたから今さら思春期の悩みに動じたりはしないけど、冷や汗かいたり誤魔化したり泣いたりを経験したから今があるのであって、これからそれを経験する子たちのことを思うと「うぅぅっ…」ってうめき声が出ちゃうわ。

 

自分のコンプレックスを子どもが引き継いで苦悩してたりなんかしたら、克服したはずのトラウマが記憶からひきずりだされる痛みと、苦しむ子どもを見る痛みと、ダブルで喰らうことになる・・。

 

もちろん、経験を踏まえてアドバイスすればいいだけの話なんだろうけど。

 

それはわかっているのだけれど。

 

 

もうほんと産んでごめんとしか言えねぇ。

 

「母親になって後悔してる」ことを子どもに伝えるか否か

本書の中でこういう問いがあって、伝えない、という人もいるし“自分には選択肢がなかったから”という理由で伝える、という人もいた。

 

私は伝えない派だ。

 

この本の中に出てくる母親たちは「母親になったことは後悔しているが、娘や息子たちに罪はないしむしろ誇りだ」と思っているのが特徴だと思う。

 

ここは自分と通じるところだ。

 

悩んでいるのは自分と世間とのギャップであって、子どもたちになんの責任もないという認識がある。

 

「母親になって後悔しているけどあなたのことは愛しているの」

 

この一見矛盾するようで、実は矛盾していない思いを人に伝えるのは難しいと思う。

 

それに、子どもは感じると思う。

 

「お母さん、私のことは愛してくれてるけど育児は好きじゃなかっただろうな」とか。

 

もちろんそれを感じずに育てばそれでいいんだけど、もし子どもがそれに気づいたとしても別に子どもの自己肯定感を下げるものじゃないと私は思う。

 

だから私は自分の子どもに伝えない。

 

それに“多様性”の時代だからね。

 

結婚しなくてもいいし、子ども産まなくてもいいし、同性を好きになってもいいし…

 

そういう選択肢があることを現代の子は教えられるからあまり心配はないんじゃないかな。

 

むしろ母親個人の思いを話して誤解を受ける危険性がありそうだからやめた方がいい気がする。

 

最後に「後悔してる」という表現について

 

の解説
[名](スル)自分のしてしまったことを、あとになって失敗であったとくやむこと。

 

 

後悔と聞くとスラムダンクのミッチーの「先生、バスケがしたいです…!!」的なイメージが私にはあるんだけど、本書の母親は本当に後悔しているのかな、と思う。

 

私も悔やむことはあるけど、ちょっと違うんだよな、と言葉を探すと、

 

「諦念(ていねん)」

 

という言葉の方がしっくりくる。

 

 

の解説
  1.  道理をさとる心。真理諦観する心。

  1.  あきらめの気持ち。

そう、あきらめの気持ち。

 

ちなみに道理とは、

 

の解説

[名・形動]

  1.  物事の正しいすじみち。また、人として行うべき正しい道。ことわり。「―をわきまえる」「―に外れた行為

  1.  すじが通っていること。正論であること。また、そのさま。「言われてみれば―な話」

「後悔」についても本書の中で言及されていたように思うけど(一年前なのでうろ覚え)、“中絶は悪だから産まなかったら後悔するよ”という社会の要求から逃れられず、縛られている母親自身の呪縛だ。

 

そこには子を得られる喜びと、もたらされた幸福の中で生じた軋轢をはらんでいる。

 

もう母親ではない自分には戻れないという事実――――。

 

 

葛藤から一筋でも逃れる術はあるのかな。

 

 

 

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