2024年4月新学期。モテキ到来。
年長になった息子が幼稚園に行き渋りをするようになり、私の幼稚園の滞在時間が延びるようになったこの春。
4月にはクラスの子の名前を覚えてしまいみんなと気楽におしゃべりするようになったのだが、ある男の子のお母さんから
「息子が毎朝『○○君のお母さんもう来てるかな~』って気にしてて『可愛くて好き』って言ってるんですよ~」
と話しかけられた。
可愛いなんて異性に言われたの何年ぶりだろうと感動してたら、そんなことを別の2人の5歳児に言われて「まさかこれはモテキか」とアラフォーに衝撃が走った。
* * * * * * * *
そしてこの春は子どもといつもに増して虫取りや生き物の観察、飼育にいそしんだ。
もともと生き物や植物に関して、普通のお母さんよりは興味もあったし知識もあった。
植物好きな父のおかげで道端の雑草はたいてい名前がわかったし、別名や名前の由来、面白い特徴なんかもそれなりに知っている。
くわえて昨年から猫の額ほどの庭をいじるようになったから、園芸種の植物の名前もわかるようになった。
土の性質や植物の環境への適応力、たくみに子孫を残す術、本能や遺伝、そういう知識も少しずつ増えていたし
なにより近所に住む父とそんな話をすると盛り上がった。
いつも父に教わるばかりの私だったが、子どもたちと実地で知識を増やしたり図書館で調べたりしているうちに、以前より父と深い話ができるようにもなっていた。
幼稚園では、息子のお友達が捕まえた謎の甲虫を私のグーグルで写真検索し、それを見た子どもが
「これ黒い蛾になるって!!」と興奮しながらヨーグルトのカップに大事そうに入れている姿を見るのは私も楽しかった。
調べた翌日に子どもたちにその話を振ると「なんか死んじゃってたんだよね」とか「どっか行っちゃった」とけっこうあっさりしているのもおかしかった。
それが高じて、自作の生き物観察記録を作り始めた。
なんでもすぐに忘れてしまう性格だから、あまり見た目にこだわらずにどんどん記録するノートにした。
「お母さんは記録しておくのが好きなんだね」
と子どもに言われたがその通りなのだ。
これは子育てをするようになってから顕著になったことで、育児日記もつけていたし3年日記が終わり5年日記も3年目に入っている。
自分のことはほぼ書かない。子どもの成長を記録して、子どものアルバムを作るときに見返して写真にひとこと添えるのに役立てている。
マメだねとよく言われて、それはまぁそうなんだけどこれはほとんど自分のためにしていて
「私は育児をしたんだ」という証拠が欲しいから書いている。
自分は無為に時間を過ごしていたわけじゃない
がんばっていた
ほら子どもはこんなに元気に育ったよ
と未来の自分を勇気づけるために書いている。
この生き物記録も忘れっぽい性格と、自分を励ますためにつけているわけだ。
中には子どもが書いてくれた絵や、子どものエピソードも書いた。
『2024,6 きょうだいで“セスジスズメガ”ごっこをはじめる。
ふとんにくるまって蛹になり、羽化するとストローで花(クッション)の蜜を吸っていた。
じーじに
「セスジスズメガをこんなに連呼してる家庭は日本でお前のところだけじゃないか」
と笑われた』
子どもたちのおかげで普通に幼虫も触れるようになった。
虫取りも素手や帽子でバシバシ取る。
アゲハの幼虫は蛹になる前まではスベスベしていたし、茶色いけむくじゃらのスジモンヒトリという毛虫は毒がなく、ふわふわとけっこういい触り心地をしていた。
ジャコウアゲハの幼虫も可愛いと思っているから私もけっこうキテるなと思いながら、わりと楽しくこの春生きていた。
突然の「一緒に働きませんか」のお誘い。
週末は子どもと虫取りに行き、いろんな生き物を飼育観察し、驚きや発見に満ちた生活を送れたのは、末っ子の一時保育の予約がたくさん取れるようになったからだ。
お金がかかるからと躊躇していたが、健康はお金で買えない、という夫や妹の言葉もあって甘えさせてもらっていたのだが
2か月くらいその生活をしているとさすがに罪悪感がでてくる。
でもやっぱりこの生活を手放したくはない、となると少しでも働けないかと考えるようになった。
とはいえ一時保育という不確定な保育日で働くというのはやはり難しい。
そんな話をぽろっとしたある日、突然お世話になっている人から珍しく電話がかかってきた。
「単刀直入にいうとうちで一緒に働きませんかということです」。
その人とは半年ほどの付き合いで、私の病気のことは知っていたけれど、学歴や職歴もほぼ知らないような間柄。
なのに以前セクハラ・パワハラで鬱になり仕事を辞めたことも考慮して「すぐ辞めてしまってもいい。とりあえずやってみませんか」と。
上手い話すぎて逆に怖い。
すごい搾取されるとかなんか裏があるんじゃないかと不安になって細木数子先生の占いと、しいたけ占いをネットで検索してしまった(笑)。
2024年上半期の私は「最強の5歳児感覚」だったんだそうだ。
なるほど、だから5歳児にモテたのかな。
わりと当てはまってる気がする(単純)。
それはさておき、妹に仕事の話をしたら、
「えー!いいじゃん!真面目に生きてるといいことがある!!!!」
と言ってくれて嬉しかった。
心療内科の先生にも「こういうのはタイミングですからいいと思いますよ~」とニコニコ言ってもらい、
カウンセリングの先生も「そんないい話があるなんて!よかったですね!今度のカウンセリングでは実際やってみたお仕事の話聞かせてください^^」と嬉しそうに話してくださり、
そういうのもすごく嬉しかった。
いろいろ不安はつきないけど、信頼する人たちに背中を押されるとちょっと浮かれてもいいかなって思ったり、がんばれるよね。
10年以上ぶりにちゃんと働きます。そして夏休みもはじまります。
おわり。