着物の素材には一応季節がある。衣替えがある。
①袷(あわせ)…裏地付き。10月~5月
②単(ひとえ)…裏地なし。6月と9月。今でいう合い服。
③裏地なしで涼しい生地の絽(ろ)や紗(しゃ)、浴衣…7~8月
季節でいえば10月はとっくに袷(あわせ)であるが
昨日のこちらの気温は30℃超え。
うちの先生はそのあたり寛容で
「体の方が大事!」といって何を着てもいいと
言ってくれてるので昨日はこんな感じで合わせた。

30年前に買ってもらった浴衣と母のなごや帯。
帯締めは先日自分で組んだものだよ!
手元にあるのは10代のころの浴衣ばかりで
当時の帯を合わせると「若い子ならいいね!」という感じの
コーディネートになってしまう。
なので今年は半幅帯を少し買い足した。
形は変わらないのに帯でぐっと雰囲気が変わり
むしろ粋になったりしてまるで新しい浴衣のように
袖を通せるのは着物のいいところだなと思う。
半幅帯なら安くて手が届きやすいのもいい。
昔の人は夏の着物や単衣をそんなに持っていない
70代のうちの母は結婚のときに何枚か
着物を持たされた世代である。
普段着として着ることはないものの
若いときの母のお正月はいつも着物だったと
記憶している。
「デートに着れるような華やかなものが
ないからと用意したのよね」という縮緬(ちりめん)の着物は
私の大学の卒業式で着させてもらった。
ただ夏の着物は持っていない。
「汗で傷むから」という理由でわざわざ夏に
着物を着ることは当時から避けられていたようだ。
古着で夏の着物や帯を探しても流通が少ないのは
そういう理由だ。
持っていたとしても季節柄、明るい色が多いこともあって
汗や手垢で傷んでいることが多い。
お茶のお稽古では襦袢(じゅばん、首元から見える
白い襟の部分のこと)を着ないといけなくて暑いので
私は真夏はスケスケの絽(ろ)の着物(いただきもの、洗える)に
メルカリで2500円で買った夏の帯(こちらもスケスケ)を締めたりしていた。
さすがに30℃超えてるからといって10月に絽(ろ)は
やりすぎなので浴衣を単衣として着る。
若いときはなんでこんな渋い色の浴衣を買ったのか
謎だったが今は晩夏にピッタリで気に入っている。
先週のお稽古はこれにオレンジの半幅帯を合わせたが
そろそろなごや帯に変更。
昨日は暑かったので涼やかに白い帯にした。
着物も昨今の気候に合わせて変化しているらしい
お茶の世界は着物警察的な要素もあるので
9月初めの先生方の研究会(月1である勉強会のこと)では
あのクッッソ暑い中 単衣でいらした先生も少なくなかったようだ。
うちの先生は「熱中症で倒れたらいけないし自分の体が
大事」と夏着物で行ったそうで、しかし同じ考えの先生も
何人かいたそうだ。
一応裏千家の家元が「気候に合わせた装いに変化してよい」という
ようなことを仰ってくれているのでその辺りは寛容に
なってきているらしいが。
暑がりの私はこの夏、肌襦袢(はだじゅばん、長襦袢の下に着る
下着のようなもの)がいらないという洗える長襦袢を買った。
それでも貧相な体なので腰にタオルを巻き、胸元も補正を
入れているのであっちーことこの上ない。
母が昔買って忘れていた夏用の伊達締め(だてじめ)を
みつけたのはラッキーだった。
しかもマジックテープで止めれるからめちゃ便利。
母はいつ買ったか覚えてないし使った記憶もない
そうだけどよく引越しでなくならなかったな。ありがてぇ。
旅行で忘れていたけどさすがに夏物の半襟も
変えないといけない。苦手な裁縫だ。
今日は昨日とうって変わって涼しく過ごしやすいんだけど
みなさまご自愛くださいませ。
おわり